V-Ray for Maya 2014対応に関して

V-Ray Maya の 2014対応に関して、Maya側(Qt)の問題でディストリビュートレンダリングでクラッシュする問題が確認されています。この問題が解決する見込みがたつまでMaya 2014版は当面出ない可能性があります。

なお、個別に連絡いただければ最新の2014対応ベータ版を提供する事は可能ですので、お急ぎの場合は support@oakcorp.net までユーザー情報を記載してご連絡ください。

V-Ray 3.0 スニークピーク

2013年6月27-28日にオランダのユトレヒトで開催された EUE2013 (エンドユーザーイベント2013)にて、ChaosGroupのの共同設立者でV-Ray開発の総責任者 Vladimir “Vlado” Koylazov 氏が開発中の「V-Ray 3.0」についてトークセッションを行いました。

その様子を Torgeir Holm氏(vray.infoのオーナーでV-Rayヘビーユーザー)がレポートしています。
以下に簡単な日本語訳を掲載します。

※なおこちらに掲載しているのは開発中の内容です。リリース版で提供されるとは限りませんのでその点は予めご了承ください。

Brute force rendering (アンバイアス・レンダリング)のスピード改善
V-Rayの開発が始まった10年以上前はBrute force rendering (全ピクセルでGIをサンプルする総当りパストレース)は遅すぎてとても実用的ではありませんでした。従ってイラディアンスマップやライトキャッシュのような、重要な場所だけサンプルして照明を近似するバイアス方式が開発され進化してきました。(バイアス方式は非常に高速かつクリーンですが、シーンに応じた最適なサンプル設定を行わないとアーティファクトやフリッカーを発生する副作用があります)バイアス形式に特化したV-Rayは、その結果総当りパストーレス機能が殆ど最適化されていませんでした。

しかしながら最近のハードウェア発達により、総当りパストーレス機能も実務で使える選択肢に入ってきました。ChaosGroupではこの状況を踏まえ、現在V-Rayの内部的なパストレースコードを最適化しています。またintel社のEmbree raycasterもサポートに加えました。(※Embree raycasterはIntel社CPUでのみ利用できます。)

パストレースコードの最適化はまだ途中の段階ですが、ここにお見せするサンプルでも著しい速度改善を見る事ができます。下記教室シーンの例では V-Ray 2.4で 15分44秒かかった物が、3.0のベータ(with Embree)では 5分55秒でした。おそそ2.66倍高速になっている事が判ります。



Rayの最大明度 (Max ray intensity)

総当りパストーレスにはピクセル状の非常に明るいドットが発生しやすい問題があります。このアーティファクトを短時間のサンプルで取り除くのは非常に難しく、その明るさが反射もしくは屈折コーティクスから来ているのか判断するのが非常に困難でした。V-Ray 3.0にはこのパストレースにおける非常に明るいドット問題を劇的に縮小する”max ray intensity”パラメーターを追加しました。このオプションは Color mappingにおける”clamp output”オプションと似ていますがイメージのサンプルではなく、トレースするRay単位で適用されます。このパラメーターはセカンダリRayに適用されるのでプライマリRayの明るさは維持されます。この機能を使うと物理的に正しい照明とは言えなくなりますが、クリーンなイメージをより早く生成できる可能性があります。

プログレッシブ・レンダリング
V-Ray 3.0ではイメージサンプラーに「プログレッシブ・レンダリング」モードを備えています。このモードはV-Rayプロダクションレンダラーでプログレッシブ(累進的)にイメージを更新するサンプラーです。(V-Ray RTと似ていますが、V-Rayプロダクションレンダラーで行える点が重要です。)
通常のバケットサンプリングと比較してのアドバンテージでは、非常に早くイメージの全体像が把握できる点です。またGIやグロッシーの品質をシンプルプルなパラメーター(サンプリングレート)でコントロールできます。プログレッシブモードはディストリビュートレンダリングをサポートしています。
(オークメモ:V-Ray 3.0では来ませんが将来的に V-RayRTはこのモードに置き換わる可能性があります。)

ヘアレンダリング
最近V-Rayは非常に多くのヘアー&ファーを使用したキャラクターのレンダリングに使用されており、V-Ray 3.0ではヘア&ファーレンダリングの最適化が行われています。
既にご存知の通り V-Ray 2.0で搭載されたVRayHairMtlは、3dsMaxのHair&Fur、Ornatrix, HairFarmをサポートし、MayaではMaya Hair/nHair, Shave & Haircut, Yeti をサポートしています。

V-Ray 3.0のHairシェーダーは半透過Hair(ソフトで自然な毛に見せるのに必要)のシェーディングに最適化されており、メモリ消費量、ヘアへのレイトレーシングが劇的に最適化されています。会場では旧バージョンで20分弱掛かったシーンがV-Ray 3.0で 2分で完了した例が示されました。

Vismat マテリアル
3dsMaxとMayaなど異なるホストアプリケーション間でV-Rayの質感(マテリアル)そのまま転送したいリクエストが数多くあります。V-Ray 3.0 ではV-Ray RhinoやV-Ray SketchUpで使われている vismat 形式を改良しネイティブにサポートします。これにより異なるプラットホーム間でVRayマテリアルのやり取りが出来るようになります。
なお、ChaosGroupのWEBサイトでは大量の vismat ライブラリーを公開しており、こちらも3dsMaxやMayaで利用できるようになるでしょう。

V-Ray 3.0でサポートされる新しい Vismat フォーマットは XMLベースで記述され、一般的に使用される殆どのマテリアルを定義する事ができます。

なお仕様としてプラットホーム側のマテリアルやプロシージャルテクスチャーはVismatに含める事ができませんが、V-Rayはコアプラグインとして既に数多くのプロシージャルテクスチャーライブラリーを持っており、これに翻訳する事で大抵のプロシージャルテクスチャーもやり取りできるように設計されています。(要望があれば似たプロシージャルテクスチャーをChaosGroupでインプリメントもしています。)

新しい vismat 形式を使う事で Maya、3dsMax間のマテリアル変換が非常に簡単になるでしょう。なおV-Ray 3.0から呼び出す事ができる Vismatマテリアルエディターも用意しています。(これはV-RayRhino,SketchUpのマテリアルエディタそのものです。)
Vismatマテリアルエディターは Python と QTで記述されており、Windows、Linux、Mac OSXで共通して利用する事ができます。Vismatマテリアルエディタはスタンドアロンのエディターとしても利用可能です。(ChaosGroupではノードベースのVismatエディタも構想していますが、V-Ray3.0リリースには含まれないでしょう。)

Vertex merging
コースティクスはカメラからのレイトレーシングでは非常に難しい事象の1つです。V-Ray 3.0のBPTracer(Bidirectional Path Tracer)にはコースティクスをより効率よく計算できるVertex mergingアルゴリズムが追加されています。
このアルゴリズムはバイアスなソリューションですが、より短時間で品質の高いコースティクスを得る事ができます。またフォトンマップよりも使い方が簡単です。
会場では ガラスの箱に入ったティーポットがコースティクスのみで照明される例を示しました。
vertex merging無しの場合、ガラスを通り抜ける照明がうまくサンプルできず非常に暗い結果で、vertex merging有りの場合非常に明るく照明されています。

V-Ray RT GPU
V-Ray 3.0のV-Ray RT GPU (プロダクションレンダーモード)ではレンダーエレメントの出力をサポートし、単なるプレビューツールからプロダクションレンダリングに利用できるレンダラーとなっています。エレメントも全てでありませんが殆どのレンダーエレメントの出力をサポートしています。
なお V-Ray RT GPUのレンダーエレメントでは、V-Rayプロダクションレンダーではサポートしていない完全なライト・セレクトエレメントを出力する事ができます。(ライト毎に分離したGI、直接光エレメント)

Mayaビューポートレンダラー
V-Ray 3.0のV-Ray RTの注目の新機能として V-Ray RTを Mayaのビューポートレンダラーとして使う事ができます。なおビューポートを大きく表示してもV-Ray RTの解像度は低くする(半分の解像度等)オプションが利用できます。
残念ながら 3dsMaxはサードパーティ製レンダラーをビューポートレンダラーとして実装する事が許可されていません。(これはautodesk社側の問題なので同様の機能を望むV-Ray3dsMaxユーザーはautodesk社に開放するよう要望をだしてください!ChaosGroupは実装する準備はできています。)

MayaのビューポートモードはディストリビュートレンダリングやCPU/GPUモード等 RT全ての機能を利用する事ができます。

その他にも追加機能が・・・

・ディストリビュートレンダリングにテクスチャー等のシーンアセットも一緒に纏めて分配するオプションを追加。(テクスチャーが子機から参照できないエラーを無くす事ができます。)
・Render Subset機能
・Trace sets機能
・Opens Shading Language (OSL)
・VRayMetaballs (isosurfaces) ※なおBercon Metaballsではありません。ChaosGroupがゼロからインプリメントしたメタボール機能です。
・Deep images および OpenEXR 2.0 のサポート

なおV-Ray 3.0のリリース時期は現在の所未定です。(弊社の予想では2014年初頭くらい?)

V-Ray and NUMAワークステーション

V-Ray開発者のVlado氏が現時点(2013年6月)における、レンダリング・ワークステーションを選択する為のアドバイスをChaosGroupフォーラムに掲載しました

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最近(2013年6月現在)、レンダリング用のワークステーションとしてマルチCPU NUMA対応マシンを導入したユーザーの報告を良く見るようになりました。(例えば 2x Xeon[NUMA対応]マシン、4x AMD Opteron[NUMA対応]マシン[48or64コア])

しかしながら、これらのマシンは V-Rayのレンダリングマシンとしてベストな選択では無いという事を知っておいてください。

マルチCPU NUMA対応マシンはウェブサーバーやデータベース処理等、同時に大量のプロセスを効率的に処理しなければならないようなケースでは絶大な威力を発揮します。しかしV-Ray+3dsMaxのような単一のアプリケーションから全てのプロセッサーを経由して大量のデータ(メモリ)に同時にアクセス必要がある場合、NUMAシステムの恩恵を殆ど受ける事ができません。

現在の所 NUMAマシンでは、NUMAノード毎に3dsMaxプロセスを複数同時に実行し、各コピーでフレームを計算させた方が効率的です。(もしくはNUMAノード毎にディストリビュートレンダリングのサーバーを複数起動してDRします。※最新のV-Rayには、1つのパソコン内で複数のDR Spawnerを実行できる機能が追加されています。)

なお上記を行なっても、現在は1台のNUMAマシンよりも、複数のUMAマシン(シングルCore i7マシン)で計算した方が良いという結果が出ています。

現在、マルチCPU NUMA対応マシンでV-Rayのレンダリングベンチマークを取ると、シンプルな Core i7 マシンよりも遅い事が判るかもしれません。しかしながら現状では(前述した事以外)殆どやれる事はありません。

高価なワークステーションを導入する前に、このアドバイスが役にたてば幸いです。

※特に4x AMD Opteron[NUMA対応]マシンは殆ど意味が無いとの事。

V-Ray for 3dsMaxの 2014 サポートに関して


V-Ray 2.0 for 3dsMax の 3dsMax 2014 対応版をお待たせしておりますが、最新の情報によるといくつかの新機能 (V-Ray RTのMultiScatterサポートと V-Ray RT OpenCLモードのAMDカード対応)で少し作業が遅れているようです。正式リリースは5月下旬から6月上旬になるかもしれません。

すぐに利用されたい方は、弊社V-Ray 2.0 for 3dsMaxサポートサイトにプレリリース版(上記2つの新機能は含まれません)を掲載しておりますので、ダウンロードしてご利用ください。

V-Ray 2.0 for Maya 2014 に関しても3dsMax版と同時期になる模様です。急ぎで利用されたい方は弊社supportまでご連絡いただけますと幸いです。

V-Ray for Maya 次期バージョン機能スニークプレビュー

ChaosGroupはV-Ray for Maya 用に開発中の機能を公開しました。
Mayaのビューポートレンダラーとして V-Ray RT が使用できるようになります。
※この機能は開発中の機能です。(現在の所具体的な提供時期は決まっていません。)

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