こんにちは。オークのサポートのYamauchiです。
今回は2022年3月末にリリースされたばかりの 3ds Max 2023 リトポロジーツールをさっそく使ってみました。
まず、前バージョンのリトポロジーツールでは、まったくリトポできなかったオブジェクトを試します。(正確にはポリゴン削減しないとまったく動かなかったオブジェクト)
ZBrushでモデリングしたモデルで、Decmation Masterで20%に削減して 1239万ポリゴンです。(ZBrushでは日常的に見かけるポリゴン量です)
なお、テストでZBrushのZRemesherで 5000 ポリゴン目指して一気にリメッシュしてみましたが、なぜか 27000ポリ以下でZRemeshするとエラーが出てしまいました。(おそらく一度解像度低いDynamesh 化して再度リトポする必要あり)
1239万ポリゴンモデルをFBXで書き出して 3ds Maxに読み込みます。
モディファイアから Retopology を選択して、目標値を1万ポリゴンに設定し、後は”Compute”ボタンを押すだけです。
2023のリトポロジーツールには初期設定で “Preprocess Mesh”のスイッチが有効化されていて、以前のバージョンの様に巨大なポリゴン数のメッシュをユーザーが予めポリゴン削減(デシメーション)やテセレーターでトポロジ密度の均一化をする必要がなくなっています。
筆者のRyzen 9 5900X (12コア)のPCでは、5~7分程処理に掛かりました。処理中はマルチスレッドをバリバリ使うというより、バックグラウンドでのファイルの入出力に時間がかかっている様子です。あとシステムメモリを限界近くまで消費します。
以前のバージョンのリトポロジーツールではいきなりこのポリゴン量のモデルをリトポロジーするとフリーズしていたので処理が完了することに関心しました。素晴らしい改良!
(2023でも巨大なメッシュの場合、フリーズした様に見えますがバックグラウンドで動いています。)
少し待ちましたが、今回はすんなり1万ポリゴン前後にリトポされたメッシュが出来ました。
トポロジー構造もUVを作る為であれば十分実用的な様子です。
新しい 3ds Max 2023のリトポロジーツールは、頂点カラーやUV、法線情報をリトポロジーメッシュに転送する機能が追加されています。特に UV保持機能はハイポリメッシュからゲーム用モデルや遠景用LODモデルを作るのにすごく便利です。
例えば、Chaos Cosmos から以下のベッドのモデルを読み込みます。
3dsMax で Chaos Cosmosのモデルは VRayProxyとして読み込まれます。
読み込んだベッドのモデルはビューポート表示用の簡易モデル(荒いモデル)で表示されています。
VRayProxyの「Import as mesh」ボタンを押すと、レンダリング用の高密度ポリゴンモデルが新しいオブジェクト(編集可能メッシュ)としてシーンに追加されます。
Proxyから変換したメッシュは1メッシュにまとまっているので、要素を選択してデタッチして別オブジェクトに分解します。例えば毛布をデタッチしてみます。
ちなみに、この毛布のモデルのUVは以下の様にちゃんとしたUVを持っています。
それでは、この毛布のUVを保ったままリトポロジーツールでリトポしましょう。UV Channel のチェックを有効にして計算実行するだけです。UVを保ったままリトポされました。
UVも保持されています。この様に3Dスキャンや素材集のハイポリモデルからローポリモデルを作成してリアルタイム用に使ったり、遠景用の軽めのLODモデルとして活用できますね。
ちなみに、3dsMax のリトポロジーツールは「別にダウンロード」するプラグインとなっています。Autodeskのダウンロードページの「更新プログラムとアドオン」から忘れずにダウンロードしてインストールしましょう。3dsMax 2023と同時にリリースされた Retopology Tools v1.2 は 3dsMax 2022 と 2021 用もリリースされています。旧バージョンでも新しいRetopology Tools v1.2を使えます。
それではまた!
株式会社オークでは、autodesk製品 、3dsMax 、Maya を使った建築ビジュアライズ、VFXやゲーム映像制作を積極的にサポートしております。
この機会にぜひ導入をご検討ください。購入前のご相談はお気軽にこちらへ