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3.152022
Corona Renderer 8 リリース候補版が公開
Chaos社(Chaos社のチェコ共和国チーム)が開発する、autodesk 3dsMax および CINEMA 4D用のレイトレーシングレンダリングシステム「Corona Renderer」の次期バージョン8のリリース候補版が公開されました。既存のCorona Rendererユーザー様でデイリービルド版(Chaosライセンス)を取得されている方は、そのままリリース候補版をそのままお試しいただけます。
評価版がテストできますのでぜひお試しください。
※株式会社オークでも近日中にCorona Rendererの取り扱いを開始致します。
Corona Renderer 8 新機能
Corona RendererをChaos社のエコシステムに統合する取り組みの一環として、Corona Renderer8にはChaos Cosmos(スマート3Dアセットのライブラリ)が付属します。またCorona 8の正式リリース後、Chaos CloudとChaos Scansのサポートも追加されます。Coronaチームが開発しているスキャッタリング・ツール(現在Chaos Scatterと呼ばれています)がCorona Renderer 8に含まれます。
Chaosスキャッター
3年間の開発のを掛けたスキャッタープラグイン(以前はScatter Proと呼ばれていました)がついにCorona 8で利用可能となります。これは3ds MaxおよびCinema4Dの全てのCoronaインストールに含まれ、Corona ScatterはChaos Scatterに完全に置き換わります。既に利用可能なCorona Scatterと比較して、これはフル機能のプロダクションで利用できるスキャッタリング・ソリューションです。主な新機能は次のとおりです:
- 傾斜による制限(崖等の斜面から樹木を除外!)
- スプラインを使った”含める/除外”(閉じた/開いたスプライン両方利用可能)
- サーフェスカラーマップ(ラグの模様などが簡単)
- 軽いビューポート表示
- カメラの視野内のみにスキャッタを制限する(錐台カリング)
- その他
Chaos Cosmos
レンダリングにかかる時間だけでなく、コンテンツの作成にかかる時間を短縮するツールが求められています。「時は金なり」です。 Chaos Cosmosは、Corona Rendererプロジェクトとシームレスに連携する何百もの高品質のモデル、素材、HDRI_Skyにアクセスできるようにする事で、まさに「時短」を実現します。全てのコンテンツは統合されたChaos Cosmos ブラウザ内からアクセスできます。これで、必要なコンテンツを数時間ではなく数分で演出できます。そして最高な事は、Chaos Cosmosのアセットリストが常に増え続けている事です!
デカール
この機能は、名前で判断するよりも非常に強力です!もちろん「壁に落書きを追加する」為にデカールを使用する事はできますが、それよりも遥かに色々な事に使える事が判ると思います。
百聞は一見にしかず、デカール機能の簡単なテストビデオを以下に示します。
ここでビデオの内容を分解してみましょう。デカールは、シーンに追加してマテリアルを適用した後、他のジオメトリと交差するように移動して、そのジオメトリにデカールを適用するオブジェクトになります。デカールはビューポートに表示されるので簡単に位置調整できます。次に、デカールを移動、拡大縮小、回転して、デカールを目的のオブジェクトに合わせることができます。
デカールを受け取るオブジェクトに何かする必要はありません。マテリアルも調整する必要はありません。デカールを受信する為のチェックボックスを有効にする必要もありません。デカールオブジェクトをドラッグして重ねるだけです。デカールは、マテリアルをオブジェクトに投影するだけでなくディスプレイスメントマップも投影するため、凹凸したマンホールの蓋などを道路に簡単に追加できます。
デカールは簡単に重ねることが可能で、「高さ」(または投影されるオブジェクトからの距離)を使用して、デカールを他のデカールの上に重ねる事ができます。
デカールはオブジェクトからオブジェクトにまたいで移動でき、デカールの範囲に複数のオブジェクトが重なっている場合は一度に複数のオブジェクトに投影できます。また、除外リストを使用して、個々のオブジェクトをデカールの影響から削除できます。デカールはモーションブラーにも正しく反応します。
また、2022年前半にはデカールのプリセットがChaos Cosmosに追加されるため、より簡単にシーンにデコレーションを加える事が出来るようになるでしょう。
トーンマッピング
Corona Renderer 8 ではトーンマッピングが完全に書き直されレンダリング全体で一元化されています。新しいトーンマッピングにはいくつかの新しい演算子と、後処理効果の順序などに大きな柔軟性を与える新しいスタック型のUIを備えています。
以下に新トーンマッピングの初期段階での動作を見ることができます。(リリース候補版ではもっと改良されています)
Cryptomatteサポート
アンチエイリアシング、モーションブラー、被写界深度などを考慮した自動マスクを正確に作成できるため、ポストプロセスがこれまでになく簡単になります。
曲率マップ(Curvature)
「曲率マップはAOマップと何が異なりますか?」という質問に答えるための簡単なテストイメージを作成しました。曲率マップ(Curvature)は主にエッジのみ抽出します。
曲率マップもAOマップもどちらも(とりわけ)エッジに摩耗を加えるために使用できます。上記は、どちらか一方を使用する理由についてのクイックガイドを提供します。
スライサー/クリッパー
車の断面図を作成し、車内やエンジンを外から見たいと思ったことはありませんか?または、壁を切り取って部屋の内部を覗き見したい(または壁がカメラビューを遮らないようにしたい)と思った事はありませんか? スライサー/クリッパーはまさにそれを可能にします。
ベータ版でビデオを作成しました。(RC版ではより良くなっています)
以下に、ビデオの最後のシーンからのレンダリングを示します。直接可視性のみに影響する様にスライサーマテリアルのレイスイッチを設定した事で、スライサーは照明に影響を与えずに内部のGIが保持されています。
リフレクションテール
この高度な反射パラメータを使用すると、反射テールを上げて、反射ピークの外側でより強い反射を得ることができます。テール値を高くすると反射はより柔らかく、より分散した外観になります。粗さ(Roughness)を上げるのと似ていますが、結果は大きく異なり、金属に「深み」を与える柔らかな外観になります。以下にいくつかの例を示します。
以下の画像比較は、反射を調整するためにテール(左の画像)とRoughness(右の画像)を使用する場合の違いを示しています。ラフネスを使用すると、反射全体がぼやけますが、テールを使用すると、反射全体のぼやけが少なくなりますが、ハイライトは同じように強い影響を受けます。
この例では、Roughnessは0.16(Tailが0)に設定され、Tailは0.87(Roughness 0)に設定されています。比較のために、ラフネスもテールも使用されていないレンダリングを次に示します。
Appleシリコンサポート
Corona Renderer 8では AppleSilicon(M1等)をネイティブサポートします。これにより、RosettaエミュレーションでCoronaを実行する場合と比較して、速度が45?50%向上します。以下はM1マシンで実行しているCorona Rendererのデモです。
ハーフドームマッププロジェクションをサポート
自動車のビジュアリゼーション、製品のレンダリングに最適なこのモードでは、カメラを動かしたときに3Dオブジェクトを環境マップに「固定」できます。
Chaosライセンスシステムに統合
新しいChaos社エコシステムの機能は、Coronaサブスクリプションの基本価格に含まれています。当初の計画どおり、Chaos Scatterまたはアセットライブラリへのアクセスに追加料金はかかりません。私たちの目標は可能な限り多くのユーザーに可能な限り最高のソフトウェアを提供することであり、この「包括的な」販売モデルはまさにそれを可能にします。多くの機能を追加しても現在の価格設定が持続可能であることを保証するため、代わりににCorona Renderer 8ではレンダーノードを別売で販売する方法に変更しています。
Corona Renderer 8 からの価格案内
- 以前のBOXライセンス(永久ライセンス)の販売は廃止
新規 Corona ライセンス
- Chaos Scatter および Chaos Cosmos 付属
- レンダーノードは付属しません
- 新しい月単位のサブスクリプション料金(以前より高く設定)
- 新しい年単位のサブスクリプション料金(以前より低く設定)
既存のCoronaサブスクリプションユーザー様:
- 以前と同じサブスクリプション価格で、バンドルされたレンダーノード数は引き続きご利用いただけます。
- Chaos ScatterとChaos CosmosChaos Cosmosも追加料金なしで利用いただけます
別売レンダーノードライセンス
- 新しい月単位のサブスクリプション料金
- 新しい年単位のサブスクリプション料金
- 数量割り引きあり
新しいロゴ
Corona Renderer 8ではChaos製品とのエコシステム統合により、新ロゴになります。
Chaos社製品と同じルックに統一されます。