パワフルなワークフロー補助ツール

Chaos Coronaでは、仕事を楽にする多くのワークフローチューニングツールを導入しています。

Sinung Wahyono

パワフルなワークフロー補助ツール

Chaos Coronaの開発者は元CGアーティストとして、優れたレンダラーとは出力の品質と速度だけではない事知っています。その為 Chaos Coronaには、ワークフローを高速化する多くの強力なツールが付属しており、レンダリングだけでなく仕事の高速化も可能です。

VFBで広範囲のポスト処理

Corona VFB内で直接利用できる幅広いポスト加工ツールで、レンダリング後のポスト処理作業を実行するためにサードパーティの画像編集ソフトウェアを使用する必要性を減らすか、さらにはなくす事で、時間(およびお金)を節約できます。VFBのポスト処理は、レンダリング前、レンダリング中、またはレンダリング後に調整可能で、設定は保存してあらゆるシーンですぐに再利用できます。

以下のリストを参照し、最終的なレンダリングをどの程度VFBで加工きるかを確認してください:

  • 露出 – レンダリング画像の全体的な露出を制御します
  • ハイライトの圧縮 – 画像のハイライト部分だけを圧縮して白飛びを減らしたり削除したりします
  • ホワイトバランス – レンダリング画像のホワイトバランスを調整します
  • コントラスト – レンダリング画像のコントラストを調整します
  • 彩度 – レンダリング画像の彩度を調整します
  • フィルミックハイライト – 彩度を失うことなく、微妙なハイライト圧縮を調整します
  • フィルミックシャドウ – レンダリング画像の影の濃さ/彩度を制御します
  • ビネットの強さ – 微妙でリアルなビネット効果を適用します
  • ティントカラー – 画像の全体的な色合いを調整します
  • トーンカーブ – ヒストグラム付きのカスタムカーブを使用して、トーンマッピングをさらに微調整できます
  • LUTs – 既にインターネットで公開されている多数のLUTを適用することにより、画像の全体的な外観をすばやく変更できます。LUT効果の強さはLUT不透明度を使用して制御できます。Corona Render自体にも様々なLUTが提供されています。
  • ブルーム & グレア – ブルームは画像の明るい領域の周りに柔らかい輝きを作成する効果。グレアは明るい領域の周りに放射状の光線を出す小さくて鋭い輝きを作る効果です。レンズエフェクトを使用するとレンズの傷、ほこり、レンズ前の障害物を介して見た最終結果を表現します。またエフェクトの色は、カラー強度とカラーシフトのパラメータを使用して調整できるため、物理的にリアルまたは非現実的(アーティスティック)にする事ができます。
  • シャープ/ブラー – これは、最初に画像をぼかしてから鮮明にします。これは「ピクセル」状の不自然なノイズを取り除き、最終的な画像をより写真的に見せるために役立ちます。
  • デノイズ – デノイズスイッチが有効になっている場合、これにより完全にノイズ除去された画像と元のレンダリングをブレンドできます。

レンダリング画像に上記のすべてのVFB効果を適用する簡単な例を以下に示します(効果はレンダリング前またはレンダリング中にも適用および調整できます):

以下にVFBのレンズ効果(ブルーム&グレア)を使用して出来る、さまざまなレンズ効果の例を示します:

オブジェクトを選択して、被写界深度のピントが合う場所をVFB上で直接設定したり、ドッキングされたIRウィンドウで設定したりすることもできます。

Coronaイメージエディタ

Corona Image Editor(略してCIEと呼ばれています)は、画像を操作するためのスタンドアロンツールです。そのユーザーインターフェイスはコロナVFBとルックアンドフィールを共有し、LightMix、フル機能のデノイザー、トーンマッピング、LUT、カーブ、ぼかし/シャープ、ビネット、ブルーム&グレアなど、VFBから保存されたCorona EXRに高速な後処理オプションを提供します。

Coronaイメージエディタの利点は次のとおりです:

  • CIEのシステム要件は、3Dソフトウェア内でレンダリング画像を操作する場合よりも要件が大幅に低くなります。レンダリング画像の操作中にシーンをロードする必要がないため、例えばレンダリングプロセスとは別にCoronaレンダリングのノイズを除去して、メモリを削減できます。
  • 全てのLightMixおよびポスト処理設定は、任意のホストアプリケーション(3dsMaxもしくはCinema4D)のCorona VFBとCIEの間で簡単に共有できます。
  • 設定を手動でコピーする必要はありません。CoronaネイティブのOpenEXR (CXR)にはCIEに関連する設定が自動的に保存・読み込まれます。
  • また非CoronaEXR(一般的なOpenEXR)でも機能します。それらにブルームとグレアを追加したり、トーンマッピング設定やLUTを適用したりする事ができます。但しデノイズとLightMixは、必要なデータが非CoronaEXRには含まれていない為、使用できません。
  • CIEはインストールが不要なポータブルアプリケーションです
  • 通常のコロナライセンスに無料で付属します

Coronaカメラ

アーティストは、Fストップ、シャッタースピード、ISO、センサー幅、高度なボケ効果、絞りの形状(ブレード/カスタム)など、物理カメラ・パラメーターを組み込んだCoronaカメラモデルを使用できます。これにより実写映像との緊密なマッチングが可能になります。

さらに、すべてのChaos Coronaポスト処理オプション、パノラマ/VRオプション、シーン内の静的またはアニメーション化されたオブジェクトを介して焦点距離を設定する機能、魚眼レンズ投影などにアクセスできます。

古いCoronaシーンが引き続き期待通りに機能するように、従来のCoronaCameraModモディファイヤも維持しています。

Coronaスキャッタ

Chaos Coronaには、独自のスキャッターシステムが付属しています。 Corona Scatterは、ジオメトリサーフェス全体に数百万のハイポリメッシュまたはプロキシを分散するための完全なソリューションを提供するように設計されています。典型的な用途は樹木や芝生などの配置です。

Corona Scatterで、メモリ消費が殆どなくかつレンダリングパフォーマンスが高いという贅沢を楽しみながら、実質的に無制限の数のオブジェクトまたはポリゴンを使用してシーンを作成できます。テクスチャマップによるオブジェクトの分布コントロールとスケーリング、スプラインに沿ったオブジェクトの配置、衝突検出などの高度な機能が含まれています。

Coronaユニファイドリスター

ユニファイドリスターには現在、シーン内のすべてのCoronaライトとCoronaスキャッターを一覧表示し、1つの便利なパネルからパラメーターにアクセスできるようにします。

ユニファイドリスターは、Chaos Coronaの次のリリース(Corona 8)で拡張され、Corona CameraやCorona Proxy等の全てのCoronaアイテムをワンストップで操作できるようになります。

スマートProxy: .cgeo

Coronaには独自のプロキシ形式である.cgeoが付属しています。形式はクロスプラットフォームです(3ds Max、Cinema 4D、Chaos Coronaスタンドアロン、またはその他の将来のプラットフォームで使用できるようになります)。圧縮を使用している為、保存、読み込み、レンダーファームへのアップロードが小さくて高速です。Proxyモデルは常にミリメートル単位に変換され、異なる単位を使用するシーンにロードするときに適切にスケーリングされます。

Coronaプロキシには、各ファイルの先頭に人間が読めるメタデータが含まれています。たとえば、ソースオブジェクトとそのマテリアルの名前などで、パイプライン使用時に解りやすくなっています。

レンダリング中もパラメーター操作が可能(3dsMax)

殆どの3dsMaxレンダラーでは、レンダリングを開始した後、3ds Maxを最小化してデスクトップ上の他の何かを取得した後、レンダリングが完了するまでMaxを再び最大化する事はできません。レンダリングを開始してから、3dsMaxの別のタブで設定を確認したくても、3dsMaxがロックされていることが解ると思います。Coronaでのレンダリングは3dsMax UIをブロックしないため、これらの煩わしさは過去のものになります。

ビルトインのヘルプ[英語]

UIのほぼ全てのパラメーターにツールチップがあり、パラメーターにカーソルを合わせると自動的にツールチップ(英語)が表示されます。3ds Maxを開いていない場合に参照できる、自動生成されたオンラインGUIマニュアルもあります。

Cinema 4Dはツールチップをネイティブにサポートしていませんが、Corona Renderer 7以降ではなんとかツールチップを追加する方法を見つけました。Coronaマテリアルのツールチップから始めました。人気が出た場合は、Corona UIの他の部分に拡張します。

スマートマスク

Chaos Coronaでマスクを作成するのは簡単なプロセスです。オブジェクトID、マテリアルIDを指定するか、シーン内のオブジェクトを直接選択するだけで、単色マスクとRGBマスクを作成できます。和集合または共通部分としてさまざまな選択を組み合わせることができます。

また、マテリアルがマスクを反射、屈折、両方、またはどちらも表示しないようにするかどうかを選択することもできます:

レンダーエレメントのみ計算

1つのマスクパスを設定するのを忘れて、それだけの為に最終レンダリングをもう一度待つことは、非常に煩わしい場合があります。通常は、シーンのコピーを作成し、ライトとGIをオフにするか、マテリアルオーバーライドを設定して速度を上げ、再度レンダリングする必要があります。しかしCoronaにはより良い解決策があります。不足しているマスクを設定し「マスクのみをレンダリング(シェーディングを無効にする)」オプションをオンにすると、時間のかかるビューティーパスなしでマスクとその他のレンダーエレメントのみがレンダリングされます。

レジュームレンダリング

レンダリングプロセス中の任意の時点で、フレームバッファの内容を単一の.CXRファイルに保存できます。.CXRには全てのレンダリングパスも含まれます。別のシーンを開いたり、アプリケーションを閉じた後でも、.CXRがあれば元のレンダリングを途中から再開することができます。

自動保存

ワンクリックで自動保存機能を有効にできます。これにより、レンダリングの進行状況が数分毎に.exrファイルに保存されます。これによりレンダリング中にコンピューターがクラッシュした場合でも、最新の進行状況が保存されます。レンダリングが十分に進んだ場合は.exrをそのまま使用するか、必要に応じて.exrからレンダリングを再開できます。