マテリアル
正確で、物理ベース、直感的
Chaos Coronaマテリアルの紹介。
正確で、物理ベース、直感的
Chaos Coronaマテリアルの紹介。
Coronaフィジカルマテリアルの設計目標は、物理ベースで完全にリアルでありながら、直感的で柔軟性があり、セットアップを簡単にする事でした。
Coronaフィジカルマテリアルでは、サンプリング値等の煩わしいパラメータを微調整する必要はなく、ユーザーは質感を決定する物理パラメータに集中する事ができます。また、10または20もの異なるマテリアルから選択する必要もありません。単一のCoronaフィジカルマテリアルを使用して、ほとんど全てを行うことができます。
Coronaフィジカルマテリアルは、物理ベースのレンダリング(PBR)マテリアルの業界標準に準拠しています。これらの「標準」のいくつかは実際には普遍的ではないため、Coronaフィジカルマテリアルでは次のことを提供します。
クリアコートを使用すると拡散反射層の上にクリアコート層を定義できます。木材の上にニスを塗ったり、車の塗料の最終的なコートティングを表現できます。独立した反射率、ベースレイヤーとは別の独自の独立したバンプマップ、およびその下のベースレイヤーの色付けを制御する吸収パラメーターがあります。
Sheenを使用すると光を反射する方法を調整できます。最も一般的なのは生地等の素材です。サテンやベルベットを考えてみてください。また放牧角度の設定で、生地とは異なる方法で光を反射させる事もできます。
Coronaフィジカルマテリアルには35のクイックプリセットがあります。このプリセットは望んでいるマテリアルの適切な設定を「学習」する為に使う事もできます。
材料が金属であるか非金属であるかを指定できるMetalnessワークフローをサポート。このパラメーターにマッピングして、1つのマテリアルで非金属と金属部分を表現する事も可能です。
金属のエッジカラー。99%の場合、理想的な単一の色ですばやく簡単に定義できますが、究極のリアリズムが必要な場合は、代わりに複雑なIORを使用できるオプションがあります。
異方性は、反射と屈折の両方に同時に正しく影響します。
Oren-Nayarシェーディングモデルは、技術に精通している方ならご存知でしょう。グレージング角度でのBaseレイヤーフォールオフがよりリアリスティックになります。
Coronaフィジカルマテリアルを使用すると、Adobe社のSubstanceツールやQuixel社のMegascansなどのサードパーティアプリケーションから簡単にマテリアルをインポートすることもできます。
Chaos Coronaに含まれるマテリアルライブラリーでは、3dsMaxとCinema4D(Corona Renderer 7以降)の両方で利用でき、520を超える直ぐに使用できる高品位マテリアルを提供しています。それぞれに高品質のプレビューがあります。ライブラリーは、次のような使いやすさを考えた機能が含まれています:
有名なアーティスト等からより高品質なマテリアルも提供されています。マテリアルライブラリとリソースセクションにあるこれらのリソースはコロナを使い始めるのに最適な方法です。
ボタンをクリックするだけで、他レンダラーのシーンをCoronaフィジカルマテリアルに即座に変換できます。これは、V-Rayなどの他のレンダリングエンジンからでも、古いCoronaマテリアル (LegacyMaterial) からのものでもかまいません。
注: 古いCoronaで作成したシーンのレンダリングするためにCoronaレガシーマテリアルは存在します。古いバージョンと外観を同じにしたい場合は、コンバーターを実行しないでください。
マテリアルプレビューでは、最終的なフレームレンダリングと同じレンダリングエンジンが使用されます。デフォルトの3dsMaxまたはCinema4Dマテリアルプレビューシーンは、カスタムのCoronaシーンに置き換えられているため、本物の「WYSIWYG (それがそのまま最終結果)」マテリアルエディタを入手できます。次の例は、左側にマテリアルプレビューを示し、右側にレンダリングされたシーンのマテリアルを示しています。
Chaos Coronaの2.5Dディスプレイスメントを使用すると、解析時間とメモリ使用量を最適化しながら、詳細で正確なディスプレイスメントを実現できます。
Chaos Coronaでは、ボリューメトリクスとサブサーフェススキャッタリング(SSS)への強力なアプローチも備えています。
歴史的に、ボリュームレンダリングには多くのアルゴリズムがあり、そのほとんどは、結果を計算するために補間、近似、および大きなバイアスサンプルに依存していました。幸いなことに、最新のCPUと私たちの研究を組み合わせることで、これらの古いオプションをすべて捨てて、最も正確な100%レイトレーシングソリューションを実現する事ができました。偏りのない、補間されていないソリューションでも非常に高速である事に驚ろく事でしょう。
スキンは、レンダリングするのに最も複雑なマテリアルの1つであり、汎用シェーダーではカバーできない多くの独自のプロパティがあります。新しいCoronaSkinMtlシェーダーを使用すると、肌の外観を簡単に制御および調整でき、リアルな結果で高速かつ効率的にレンダリングできます。
これまでリアル・スキンのレンダリングを試したことがない場合でも使いやすく、デフォルト設定で優れた結果が得られます。
ボリューメトリックスキャッタリングまたはSSSの設定は、多くの場合非常に複雑なタスクですが、多目的に使用できるSSSを搭載したCoronaマテリアルを使用するととても簡単になります。すべてのSSSサンプリングは自動的に行われるため、サンプリングコントロールは必要ありません。これにより、UIが非常にシンプルになります。ボリュームモード(液体、ガラス、雲など)の散乱および吸収プロパティ、またはSSSモード(肌、ワックス、食品など)の量、半径、および散乱色を設定しレンダリングボタンを押すだけです。
Corona Volumeマテリアルは、真の3Dボリュームマテリアル用の「InsideVolume」モードを提供します。たとえば3Dノイズマップを使用すると、シーン全体で真の3Dで密度が変化するフォグを作成できます。Corona距離マップと組み合わせると、可能性は無限大です!
次の例では「On Surface(サーフェス上のみ)」モードと「Inside Volume(ボリューム内)」モードを比較しています。
Chaos CoronaではChaos Phoenixのほとんどの機能と互換性があり、シミュレーションを3ds Max内で直接使用できます。たとえばChaos Phoenixで作成された爆発エフェクトをCoronaでレンダリングした例を以下に示します。
3dsMaxとCinema4Dの両方で、Corona Volume Gridオブジェクトを使用して業界標準のOpenVDB形式をロードおよびレンダリングすることもでき、Blender、Houdini、Chaos PhoenixなどからエクスポートされたVDBによるシミュレーションの結果をレンダリングできます。 Corona Volume Gridのマテリアル設定を使用すると、同じOpenVDBデータからでも、さまざまな外観と効果をレンダリングできます。
優れたヘアシェーダーがなければ、優れたスキンシェーダーも使用することはできません。 Chaos Coronaの専用ヘアシェーダーは、物理的にリアルな結果、高速レンダリング、シンプルなUIを提供するという私たちの哲学を守り続けています。繰り返しになりますが、これまでにヘアやファーをレンダリングしたことがない場合でも、デフォルトでも素晴らしい結果が得られます。
Chaos Coronaは、ネイティブの3ds Maxヘアとファー、OrnatrixとHair Farmもサポートしているため、使用するプラグインに関係なく、ヘアシェーダーが機能します。
一部の屈折物質では波長に応じて異なる量で光が曲げられます。これは波長分散(dispersion)と呼ばれ、屈折した光に虹の効果を生み出します。波長分散は、標準のCoronaマテリアルで有効にでき、単一のアッベ数パラメーターによって制御されます。これを有効にすると、宝石、ガラス、液体、その他の透明マテリアルにリアリズムが加わります。波長分散はコースティクスでも機能します。
デフォルトでは、3ds Maxはバンプマップを異なる方法で処理するため、一部のマップはバンプマッピングへの入力として機能しません。Corona Bump Converterはこれを解決し、シェーダーのバンプマップチャネルへの入力として任意のマップを使用できるようにします。また3ds Maxのネイティブ"出力"機能を使用して、バンプマップに調整を適用し期待する結果を得ることができます。
Chaos Coronaには、アンビエントオクルージョン、UVWRandomizer、マルチマップ、トリプラナーマッピングなど、現在ワークフローに不可欠な多くのユーティリティマップが付属しています。ここでは、UVWRandomizerとCorona Distanceマップの2つだけをピックアップして紹介します:
Corona UVWRandomizer
この柔軟なマップには、2つの主要な機能があります。まず、さまざまなインスタンス、オブジェクト、マテリアルIDなどにまたがってテクスチャのUVWポジショニング、回転、スケーリングをランダム化できます。
次に、UVWスペースを一連のタイルに分割することにより、1つのオブジェクト内でUVWの配置、回転、およびスケーリングをランダム化できます。これにより、床、壁、地面などの大きな表面に合わせてスケーリングすると、シームレステクスチャでも見られる不自然な繰り返しやパターン化を回避できます。上の画像に示すようにプロシージャルマップでも機能します。
Corona Distance (距離マップ)
この柔軟なマップをCorona Scatterと併用すると、小道や道路等の上から植物や樹木を削除する等の効果を簡単に実現できます。また、距離に基づいてマテリアルを調整してオブジェクトの周囲だけに波を配置するなどのクリエイティブな効果にも使用できます。オブジェクトが互いに交差したり近づいた場所に効果が出始めます。それ以上のことは、実際にはあなたの創造性によってのみ制限されます。
以下の例では、地面(水面を含む)と丸太がQuixel Megascansから持ち込まれました。 「Corona Distanceが無効」の画像は、水が完全に静止しているように見えるため、少し不自然に見えます。
コロナ距離マップを使用して丸太の周りにノイズディスプレイスメントマップを追加し、Megascansからの元のディスプレイスメントとブレンドすることで、特に丸太の周りに波紋の効果を与えることができます。何よりもこれは手続き型であるため、シーン内の丸太オブジェクトを移動、拡大縮小、または回転しても、周囲のディスプレイスメント効果が自動的に更新されます。
クイックテストレンダリング、またはシーンのデバッグレンダリングの為に、1つの単純なマテリアルでシーンの全てのマテリアルをオーバーライドすると便利な場合があります。これはコロナで簡単に設定できます。一部のマテリアル(ポータル、ガラス、ライトマテリアルなど)をオーバーライドの影響を受けないようにするオプションがあります。