ファイバーメッシュ(FiberMesh)

ZBrush 4R3では、実際にオブジェクトとしてスカルプト可能なヘアー/ファーを作る事ができます。この驚くべき新機能は非常に強力で、ファー/ヘアーに限らず、植物、雑草、などの背景ディテールを作る事にも使う事ができます。 使い方はいたって簡単、ファイバーを生成させたい部分をマスキングしてください。あとはファイバーメッシュのプレビューボタンを押して毛並みを調整して確定するだけです!ベースとなるモデルにポリペイントがあれば、ポリペイントの模様に合わせてファイバーもカラーリングされます。

ZBrushのファイバーメッシュが特徴的なのは全ての変更をほぼリアルタイムに確認できる点にあります。毛のプレビュー段階から、長さ、厚さ、縮れ、重力の影響をインタラクティブに調整する事ができます。

ファイバーメッシュは誰でも簡単に扱う事ができます。他の3Dアプリケーションのようなガイドスプラインを使って何日も掛けてスタイリングする事はもはや過去の物です。ファイバーメッシュは通常のモデリングのようにブラシを使ってスタイリングが可能です。またヘアー/ファー全体がリアルタイムに更新されるので、わざわざ確認の為にプレビューレンダリングする事も不要です。創作エネルギーを無駄にする事なくクリエイティブな作業に注ぎこむ事ができます。

ZBrush アーティスト: Nick Zuccarello

新しいファイバーメッシュはユーザーが想像したものを正確に再現できるように多彩なコントロールでスタイリングできます。マスキングコントロール、ポリペイントカラーリング、カーブブラシを使ったトリミング、ブラシ毎のファイバー影響プロパティ等は、ユーザーの作成スピードおよび能率向上に役立つ事でしょう。

さらにファイバーメッシュが多機能な点として、生成される全てのファイバーを実ポリゴンオブジェクトとして出力する事が可能な事です。つまり、ZBrush内だけでなく他の3Dソフトウェアでもファイバーメッシュを利用できる事を意味します。(Mayaや3dsMaxでファイバーメッシュをスプラインに変換するスクリプトを作成した海外のユーザーグループがあります。検索してみてください!)

もちろんZBrushの"BPR"(最高品質アンチエイリアス・レンダリング)を使えば、あなたのZBrush作品にリアルな質感付きのヘアー/ファーのディテールを追加する事ができるでしょう!

モーフをガイドにヘアスタイリング

ファイバーメッシュはZBrushのモーフターゲットを利用して、その差分の間にファイバーを生成させる事ができます。このシンプルで直感的な方法は、より詳細にファイバーエレメントをデザインする為の柔軟性と自由度を与えてくれるでしょう。このようにファイバーメッシュは様々な手段を使って生成、スタイリングする事ができます。

ZBrush アーティスト: Arnaud Kotelnikof

ファイバーにテクスチャーを適用

ZBrush 4R3ではファイバーのプレビュー中にもテクスチャーを割り当てる事ができます。テクスチャーを割り当てながらプレビューコントロールが可能なので、ファイバーへのテクスチャー調整に何度も生成を繰り返す必要はありません!

ファイバープリセット

FiberMeshは物凄くカスタマイズ性が高い機能ですが、手軽に操作するには少し複雑すぎるかもしれません。しかしながら一旦作成したファイバーのスタイルはプリセットに保存する事ができます。いつでも好きな時に好きなスタイルを呼び出して適用する事が可能です。自分用のカスタムライブラリーを構築するも良いですし、ネットで簡単にスタイリングを共有する事もできます。好きなだけヘアスタイルのライブラリーを増やしてください!

Fiberガイドスプラインを他のアプリケーションに出力

FiberMeshのガイドを .obj、.lxo(Modo)、.lwo(LightWave、.ma(Maya)、fmg(*)で出力する事ができます。(*).fmgデータはシンプルなRAWデータフォーマットで、各自でインポーターを作成する事であなたのパイプラインにZBrushを使ったファイバースタイリングのワークフローを組み込む事ができます。